【2024年最新版】工場建設費用の坪単価や相場をチェック! | 工場建設パーフェクトガイド
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【2024年最新版】工場建設費用の坪単価や相場をチェック!
公開日:2023.06.16 更新日:2024.10.15
工場建設の平均坪単価は建築構造や設計、設備により異なります。国土交通省のデータから計算した全国の平均坪単価は約70.5万円で、木造は約44.0万円、鉄骨造は約70.1万円、鉄筋コンクリート造は約130.3万円が目安です。
鉄骨造は耐久性とコストのバランスが良く、多くの工場で採用されていますが、鋼材価格の高騰が建築費に影響しています。鉄筋コンクリート造は頑丈ですが、費用が高く、コンクリート材料の価格上昇も問題です。木造はコストを抑えられますが、耐久性や耐火性に劣ります。工場建設にはこれらの要素を考慮し、最適な建築構造を選ぶ必要があります。
画像出典:政府統計ポータルサイト e-stat 国土交通省「建設工事受注動態統計 記者発表資料」https://www.mlit.go.jp/toukeijouhou/getsurei/r06/03/overview.pdf
目次
工場建設における坪単価の目安
まずは、一般的な工場建設にかかる費用を見てみましょう。以下では、工場建設の平均坪単価と注意点について説明します。
工場建設の平均坪単価
坪単価は、1坪(約3.3㎡)あたりの建設費用を示します。計算方法は、工場建設の総費用を延床面積で割ることです。2階建ての工場の場合は、2階の面積も含めて計算します。
国土交通省の2022年の「建築着工統計調査」から、全国における「工場及び作業場(総計)」をもとに算出してみましょう。
・床面積の合計:7,256,679㎡(約2,195,145坪)
・工事費予定額:238,163,399万円
・平均坪単価:238,163,399万円÷2,195,145坪=約108万円
なお、同様に算出した倉庫の平均坪単価は約54万円、事務所は約137万円です。つまり、建設費用は「倉庫<工場<事務所」の順で高くなります。
工場建設の平均坪単価の注意点
坪単価に工場の坪数を掛けることで、建設費用の概算を出すことができます。ただし、建設会社によって坪単価の計算方法が異なる場合があります。例えば、設備費用が別途オプションとして計上されることがあります。
また、建設地によっても費用が変わるため、より正確な金額を知りたい場合は、建設会社に直接見積もりを依頼するのが良いでしょう。
工場の建築構造は平均坪単価に影響する?
建築構造は複数あり、工場建設に採用される主な建築構造には「鉄骨造」「鉄筋コンクリート造」「木造」の3つがあります。それぞれの特徴を以下に説明します。
鉄骨造
鉄骨を使って柱や梁を組み立てる建築方法が「鉄骨造」です。鉄骨造は耐久性、耐震性、耐火性、遮音性に優れており、工場だけでなく、マンション、アパート、倉庫、事務所などさまざまな建物に利用されています。鉄骨造は鋼材の厚さによって「重量鉄骨造(6mm以上)」と「軽量鉄骨造(6mm以下)」に分けられます。
ただし、鋼材価格は感染症の影響で停滞していましたが、2020年に上昇し、近年の鋼材の価格はコロナ前の水準には戻らず、高止まりしています。鋼材の価格が高騰すると、それに伴い資材コストや建築コストが増加し、最終的には建築費全体の上昇に繋がります。
鉄筋コンクリート造
鉄筋とコンクリートを組み合わせて作る建築方法が「鉄筋コンクリート造」です。鉄筋コンクリート造は鉄骨造よりも費用が高くなりますが、その分、より頑丈で機能的な建物を建てることができます。法定耐用年数は鉄骨造より長く、47年とされていますが、実際の耐久性や寿命は建物の個別の条件によって異なるため、単純には言えません。
近年ではコンクリートの材料である骨材とセメントの価格が上昇しており、これが価格高騰の一因となっています。特に、コンクリートに必要な「砂」が世界中で不足していることが問題視されています。砂は都市建設に欠かせない天然資源であり、この不足が続くことで、コンクリートの価格上昇が慢性化する可能性があります。
木造
鉄骨造や鉄筋コンクリート造に比べて耐久性、耐火性、耐震性は劣りますが、建築費用を抑えることができる建築構造です。工場建設においては一般的には不向きとされますが、コスト削減のために木造を採用する場合もあります。ただし、木造を採用する際には追加工事や特殊な部材が必要となり、予想以上のコストがかかることもあるため注意が必要です。
2021年の感染症拡大に伴い、木材価格が急騰しました。さらに、カナダでの森林虫害や森林火災も影響し、世界的に木材価格がこれまでにないレベルにまで上昇しています。第三次ウッドショックが問題視されてから約2年が経過した現在でも、価格がショック以前の水準に戻るには時間がかかるとされており、輸入材の価格高騰に伴い、日本国産材の値上がりも続いています。
建築構造別の平均坪単価
構造別の平均坪単価は、費用の安い順に「木造<鉄骨造<鉄筋コンクリート」となります。ただし、それぞれの建築構造にはメリットとデメリットがあり、工場に最適な建築構造を選ぶ必要があります。以下に国土交通省の2020年建築着工統計調査での構造別の平均坪単価と、それぞれのメリットとデメリットを説明します。
木造(約44.0万円)
工場建設の平均坪単価に比べて約4割のコスト削減が見込めます。木造の建築費用が安くなる理由として、建材の安価性、職人の人件費の安定性、軽量な部材や簡単な基礎工事などがあります。
メリットとデメリット
木造は工場で事前にカットされた建材を現場で組み立てるだけなので工期が短く、柱や耐震壁などの設置により耐久性・耐震性・耐火性・遮音性を向上させることも可能です。ただし、柱や耐震壁の設置により広い空間が制限され、追加費用が発生することもあります。
鉄骨造(約70.1万円)
鉄骨造の建築費用は工場建設の平均坪単価とほぼ同額です。鉄骨造は機能性とコストのバランスが良く、多くの工場で採用されています。なお、重量鉄骨造と軽量鉄骨造の2つの種類があり、重量鉄骨造の方が鋼材の厚さが大きく費用も高くなります。
メリットとデメリット
鉄骨造は丈夫な鋼材を使用するため、柱の本数を減らして広い空間を実現できます。ただし、室内が夏は高温になりやすく冬は寒くなりやすいため、結露によるサビの発生に対策が必要です。
鉄筋コンクリート造(約130.3万円)
鉄筋コンクリート造は他の建築構造に比べて建物が重く、基礎工事や地盤改良に費用がかかるため、工場建設は平均坪単価の2倍近くかかります。
メリットとデメリット
鉄骨造よりも、さらに丈夫で機能性の高い工場を建設できます。コンクリートの養生も必要なため、工期も長くなり、鉄骨造同様に、結露によりサビも発生しやすいのがデメリットです。
工場建設には、多額の資金が必要となるため、事前にしっかりとした資金計画を立てることが極めて重要です。建築費用は、建築構造、設計、設備の仕様などによって大きく変動しますが、工場建設にかかる費用の目安として、坪単価が参考になります。
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坪単価とは、1坪(約3.3㎡)あたりの建設費用を示す指標であり、工場建設の総費用を延床面積で割ることで算出されます。一般的な工場建設において、全国の平均坪単価は約108万円とされていますが、この金額は建設する地域や工場の仕様によっても変わります。
鉄骨造は、柱や梁に鉄骨を使用する構造で、耐久性、耐震性、耐火性に優れているため、多くの工場で採用されています。鉄骨造の平均坪単価は約70.1万円で、機能性とコストのバランスが良い点が特徴です。しかし、近年の鋼材価格の高騰が建築費に直接影響しており、資材コストや建築コストが上昇し、最終的には建築費全体の増加につながっています。
鉄筋コンクリート造は、鉄筋とコンクリートを組み合わせた構造で、鉄骨造よりもさらに頑丈で耐久性がありますが、その分費用が高くなります。鉄筋コンクリート造の平均坪単価は約130.3万円で、他の建築構造に比べて高価です。近年では、コンクリートの材料である骨材やセメントの価格が上昇しており、特にコンクリートに必要な「砂」の世界的な不足が価格上昇を助長しています。このような材料費の高騰は、工場建設の費用に大きな影響を与えています。
木造は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造に比べて建築費用を抑えることができる一方で、耐久性、耐火性、耐震性に劣ります。木造の平均坪単価は約44.0万円で、コスト削減を図りたい場合に選ばれることがあります。しかし、木造を採用する際には、追加工事や特殊な部材が必要となることがあり、予想以上のコストがかかることもあるため、慎重な検討が必要です。さらに、2021年の感染症拡大やカナダの森林虫害・森林火災などの影響により、木材価格が急騰しており、木造建築の費用も以前より高騰しています。
工場建設においては、このような建築構造ごとの特徴や費用を十分に理解し、最適な構造を選択することが重要です。正確な建設費用を知るためには、建設会社に直接見積もりを依頼し、詳細な資金計画を立てましょう。