工場は塗床にするほうがよい? | 工場建設パーフェクトガイド
工場建設の流れ
工場は塗床にするほうがよい?
公開日:2024.07.26 更新日:2024.07.26
工場における塗り床は、作業環境の品質と安全性を向上させる重要な要素です。工場の塗床を施工する際は、実績の多い業者に相談することが重要です。建設後の施工は専門業者に、工場新設時は建設施工業者と相談して依頼する方法もあります。
塗り床はコンクリートやアスファルトの上に特殊な塗料を塗布して仕上げ、耐久性や美観を改善し、汚れや衝撃に強い表面を作ります。塗床を施さない場合、コンクリートの摩耗やひび割れが進行し、生産性や安全性が低下する恐れがあります。
目次
工場の塗り床とは
工場建設において塗り床を導入することは、作業環境の品質や安全性を向上させるために重要な要素です。塗り床とは、床面に特殊な塗料を塗布して仕上げる工法であり、耐久性や美観を向上させるだけでなく、汚れや衝撃に強い表面を作ることが可能です。
◇塗床とは
塗床(ぬりゆか)とは、コンクリートやアスファルトなどの床面に塗料を塗布して仕上げる方法です。塗床は、工場や倉庫、駐車場など、さまざまな施設で利用されており、耐久性や耐摩耗性を高めるために使用されます。
塗料には、エポキシ樹脂やウレタン樹脂などが用いられ、これらの材料は高い耐薬品性や防水性を持つため、過酷な作業環境でも長期間にわたって性能の維持が可能です。
◇塗床の種類
塗床には、厚膜塗床と薄膜塗床の2つの主要な種類があります。
厚膜塗床は塗料を厚く塗布する方法で、通常は数ミリから数センチの厚さに仕上げます。厚膜塗床は、耐久性が非常に高く、重機や高荷重の作業が行われる場所に適しています。
さらに、耐衝撃性や耐摩耗性に優れており、重機の走行や重い物品の移動によるダメージを防げます。
一方、薄膜塗床は、塗料を薄く塗布する方法で、数ミクロンから数ミリの厚さに仕上げます。薄膜塗床は、コストパフォーマンスに優れ、軽度な作業環境や歩行が主な場所に適しており、比較的短期間で施工が完了します。
また、塗膜が薄いため、床面の平滑性を高め、美観を保てます。
塗床にしないと床はどうなる?
工場の床はコンクリートであることが多いですが、塗床にしない場合、その劣化が進行し、生産性や安全性が低下する恐れがあります。
◇摩耗
コンクリートは摩耗に弱いため、フォークリフトやその他の運搬機器が頻繁に使用される工場では、タイヤの摩擦によって床が急速に摩耗します。
摩耗が進むと、床面が不均一になり、運搬作業が不安定になり、フォークリフトの操作性が低下するため、作業効率が悪化する可能性が高いです。
また、摩耗した床面は滑りやすくなり、作業者の転倒事故のリスクも増加します。塗床を施すことで耐摩耗性が向上し、運搬作業の安全性と効率改善が可能です。
◇ひび割れ
コンクリートは、引き裂き強度が弱いため、ひび割れが生じやすい素材です。特に、重機や高荷重がかかる工場の床では、負荷が集中しやすく、ひび割れが発生しやすくなります。
また、コンクリートは中性化や施工不良によってもひび割れが進行します。
中性化は、コンクリートが空気中の二酸化炭素と反応してアルカリ性を失い、鉄筋が腐食しやすくなる現象です。施工不良は、適切な養生や配合が行われなかった場合に発生し、ひび割れや強度不足を引き起こします。
ひび割れが進行すると、床の耐久性が低下し、さらなる劣化や破損が発生しやすくなります。さらに、床の補修や交換が頻繁に必要となり、メンテナンスコストが増加します。
工場の塗床を行うときのポイント
工場の塗床は、作業環境の品質や安全性を向上させるために非常に重要です。適切な塗床を施すことで、床の耐久性が高まり、メンテナンスコストの削減にもつながります。
◇場所によって厚膜と薄膜を使いわける
工場の塗床を行う際には、使用する場所に応じて厚膜と薄膜を使い分けることが重要です。厚膜塗床は、耐久性や耐摩耗性が高いため、重機が頻繁に通るエリアや高荷重がかかる場所に適しています。
一方、薄膜塗床はコストパフォーマンスに優れているため、軽度な作業エリアや歩行が主な場所に施工すべきです。工場の使用状況や負荷に応じて厚膜と薄膜を適切に使い分けることで、効率的に塗床を施し、床の性能を最大限に引き出せます。
◇実績の多い業者へ相談
工場の塗床を施工する際には、実績の多い業者へ相談することが重要です。建設後に塗床を施工する場合は、専門の工場床塗塗装業者に依頼する方法があります。また、新たに工場を建設する場合は、建設施工業者と相談しながら依頼をすべきです。
特に、工場床塗塗装業者を選ぶ際には、実績が豊富で信頼できる業者を選ぶことが重要です。実績のある業者は、様々な工場の塗床施工経験を持ち、最適な塗床材の選定や施工方法を提案してくれます。
また、施工後のメンテナンスやトラブル対応についても迅速かつ的確に行える業者であれば、安心して依頼できるでしょう。
依頼する業者の実績や評判を事前に調査し、具体的な施工事例や顧客の評価を確認することで、信頼できる業者を選定でき、高品質な塗床施工を実現し、工場の作業環境の最適化ができます。
塗床で作業効率がアップ
工場や倉庫の塗床は、見た目の美しさだけでなく、作業環境の改善や効率向上にも大きな役割を果たします。適切な塗床を施すことで、さまざまなメリットが得られ、作業効率の向上が可能です。
◇ゾーニングも行える
塗床を利用することで、工場内のゾーニングが容易に行えます。ゾーニングとは、作業エリアや通路、保管スペースなどを色分けして明確に分けることです。ゾーニングにより、施設内の整理整頓が進み、作業者が各エリアの用途の把握が簡単にできます。
また、作業フローがスムーズになり、無駄な動きが減少し、作業効率や生産性の向上が期待できます。
◇防水性などが向上
塗床によって、防水性や耐薬品性が向上し、工場内の環境が大幅に改善されます。防水性の高い塗床は、水や薬品が床面に浸透するのを防ぎ、汚染や劣化を防ぐことができ、清掃が容易になるため、衛生状態を清潔に保てます。
さらに、塗床は耐衝撃性や耐紫外線性も備えているため、重機やフォークリフトの移動によるダメージを軽減し、紫外線による色あせや劣化の防止が可能です。
耐熱性に優れた塗床は、高温環境下でも性能を維持し、作業者の安全を確保します。また、滑りにくい床面を作ることで、転倒事故のリスクを減少させ、安全な作業環境が実現可能です。
工場での塗り床の導入は、作業環境の品質と安全性を大きく向上させる重要な施策です。塗り床とは、コンクリートやアスファルトの床面に特殊な塗料を塗布する工法で、耐久性や美観の向上だけでなく、汚れや衝撃に強い表面を作り出します。
塗床には、厚膜塗床と薄膜塗床の2種類があり、厚膜塗床は耐久性が高く重機の多いエリアに適し、薄膜塗床はコストパフォーマンスに優れ、軽度な作業環境に向いています。塗床が施されていない場合、コンクリートの摩耗やひび割れが進行し、生産性や安全性が低下する恐れがあります。
工場の塗床を施工する際には、豊富な実績を持つ業者に相談することが重要です。既存の工場に塗床を施工する場合は、専門の塗床施工業者に依頼するのが適切です。一方、新しい工場を建設する場合は、建設施工業者と協力して依頼を進めると良いでしょう。