工場建設はデザインも重要?デザインにこだわる清水建設の事例 | 工場建設パーフェクトガイド
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工場建設はデザインも重要?デザインにこだわる清水建設の事例
公開日:2024.04.17 更新日:2024.05.08
清水建設は日本のスーパーゼネコンで、220年続く老舗の大手総合建設会社です。医療・福祉施設や社寺建築における実績があり、最新技術の開発や人財育成を目指す「温故創新の森 NOVARE」も展開。資生堂の工場では施設の一体化や異物混入防止などに取り組み、外観は工場らしくないピンク色の床や緑あふれる円形食堂など、デザインにも配慮されています。
今回は、工場建設におけるデザインのポイントについても解説しています。
目次
工場はデザインも重要?避けたいデザインとメリット
外観は企業のイメージにも繋がるため、工場建設では外観のデザインも考慮しましょう。
◇避けたいデザイン
極端に奇抜なデザインや、目立ちすぎるピンクや黄色などのカラーは避けましょう。
また、消費者が工場を見る機会は少ないかもしれませんが、企業のイメージを重視するのであれば、工場のデザインも企業のイメージやブランドと調和させることが大切です。
◇工場のデザインにこだわるメリット
工場の外観にこだわるメリットは以下の通りです。
企業のイメージアップ
工場の外観デザインに配慮する企業は、社会との調和を重視しているという印象を与えます。このような企業は、周囲への配慮ができると見られ、取引先に対しても、「安心して仕事を依頼できる」といった良いイメージを与えます。
また、求職者は外観のデザインが良い工場を選ぶ傾向があるため、求職者が集まりやすいのもメリットだと言えるでしょう。
社員のモチベーションアップ
周囲の環境と調和しないデザインの工場では、通勤する際に周囲の目が気になり、気持ちよく仕事に取り組めないかもしれません。そのため、外観デザインの良い工場で快適に通勤できると、社員のモチベーションが向上する効果が期待できます。
近隣住民との関係性
製造物の性質によっては、工場が騒音や臭いなどで周囲から好ましく思われないこともあるため、外観の配慮も重要です。
外観が好ましくなければ近隣住民へ良い印象を与えないため、将来的に増築や改築の際に住民からの反対を受けるリスクが生じます。
工場のデザインを決める際のポイントとは?
工場の印象を良くするためにも、外観のデザインを決めるポイントを知っておきましょう。
◇自社のイメージカラーを使う
外観デザインの色を自社のイメージカラーを選ぶことで、企業がアピールしたいイメージを効果的に伝えられます。
たとえば、安全性の高い製品をアピールしたい場合は、安心感を与える落ち着いた色を選択し、クリーンなイメージを伝えたい場合は、グリーン系やホワイト系の色が適しています。
また、シャープなイメージを伝えたい場合は、ブルー系の色を選択するなど、企業がアピールしたいイメージに合ったカラーを選びましょう。
企業のイメージに合うカラーにすることで、工場全体のデザインにアクセントを加え、企業の個性やブランドイメージを強調し、他の工場との差別化を図ることもできます。
◇建物の形状はシンプルに
工場の外観は目新しい形状にする必要はなく、工場の建物はシンプルがベストです。工場では主に作業が行われ、建物の形状にこだわりすぎると、設備の搬入が難しくなったり、作業する社員の行動に制限が生じたりする可能性があります。
さらに、シンプルな形状であることは、構造に余計な費用をかける必要がなく、内装やレイアウトの自由度が広がります。
◇内装・外観の統一感
外観のおしゃれなデザインは重要ですが、内装のデザインとの統一感がなければ、まとまりがなくなるため、設計する際は、建物全体、屋根も含めて、外観から内装までは統一されたデザインにしましょう。
清水建設とは?デザインにもこだわる工場建設
清水建設は日本のスーパーゼネコンで、江戸時代に創業し、220年も続く老舗の大手総合建設会社です。
◇清水建設とは?
創業1804年の清水建設は、民間の建築工事をはじめ、オフィスや工場、病院など幅広い建物の企画提案から設計・施工、運営・維持管理までを手掛ける企業です。特に医療・福祉施設の受注では国内トップを誇り、社寺建築や伝統建築においても豊富な実績があります。
また、「SHIMZ VISION 2030」の長期ビジョンの実現に向け、2019年から2023年までの中期経営計画では、新たな収益基盤の確立に向けた先行投資期間と位置付けて、DXへの取り組みが推進されました。
東京都江東区潮見にオープンした「温故創新の森 NOVARE(ノヴァーレ)」は、イノベーションと人財育成の拠点として機能し、研究施設や体験型研修施設などを備えた施設です。
ここでは生産技術や先端技術の開発、ものづくり人財の育成、技術の伝承が行われ、事業構造・技術・人財の三つのイノベーションを加速することを目的としています。
◇清水建設の工場建設のこだわり
大阪茨木市に施工した資生堂の新工場では、従来の機能別に分けられていた施設を、完全1棟化して、これにより、原材料の入出庫や保管、工場で生産した商品の保管・出荷までを効率的に連動することが可能になりました。各棟が密閉されているため、隙間がなく、虫などの異物混入を防止します。
また、外観も工場らしくないデザインにしているのが特徴で、床は従来の工場とは異なる薄いピンク色が採用され、迎接棟の見学者通路からはピンクを背景に製品が流れる様子を間近に見学できます。
食堂棟は円形で、外構の緑を見渡せる開放感あふれる建物構成です。内部は複雑な構成で、37mの無柱空間を実現するために鉄筋コンクリート造と鉄骨トラスが併用して、外構の緑を見渡せる開放感あふれる建物構成として、従業員がリフレッシュできる空間となっています。
お客様を迎える迎接棟は、企業イメージを発信する場であり、大阪茨木工場の「顔」です。
ガラス面で覆われた巨大なボックスの内部に足を踏み入れると、吹き抜けの空間が広がり、エスカレーターや階段が縦横斜めに交差しながら頭上へと延びていき、美の旅へ誘うような雰囲気を演出しています。
清水建設が建設した工場を紹介
資生堂大阪茨城工場の他にも、清水建設を手掛けた工場の施工事例を紹介します。
◇キオクシア 四日市工場 東西第二棟間搬送路
画像出典:清水建設
キオクシアの四日市工場は1992年に設立され、最先端のメモリ製品の生産拠点として発展してきました。四日市工場の拡大で、一般道路を挟む二つの工場を接続する地上約40m、全長約450mのクリーンルーム仕様の搬送路を手掛けます。
◇昭和産業 S2穂坂工場
画像出典:清水建設
山梨県韮崎市の市開発の工業団地に建つクリーンルームを備えた半導体製造装置関連の組立てなどの電子部品工場です。
自然に恵まれた環境を活かし、共用部の食堂は富士山と南アルプスを一望できるガラスファサードとし、景色を楽しめるように南西角の柱を取り除く工夫をしています。施工途中で大幅な計画見直しがありましたが、機器の納期やお客様の要望に合わせて工期を調整して工事を進めました。
◇SCREEN彦根事業所 S³-4(エスキューブ・フォー)棟
画像出典:清水建設
滋賀県彦根事業所の敷地内にある、半導体製造装置の検査、部品洗浄工程の強化を目的とした工場です。
製品と資材の入出荷と従業員の動線を分離した平面および断面計画を採用し、タスク&アンビエントクリーン空調などの導入により、フレキシブルで安全性に配慮した工場を実現しました。
工期が限られる中、無足場工法やパラペットのサイトPC化を採用して工期を短縮しました。
工場建設では外観のデザインも重要です。極端な奇抜さや過度な色使いは避けるべきです。企業イメージやブランドと調和するデザインが好ましいです。デザインにこだわるメリットは、企業イメージの向上や求職者の吸引力、社員のモチベーション向上、近隣住民との良好な関係性を構築する点です。工場のデザインを決める際には、自社のイメージカラーやシンプルな形状、内装との統一感などを考慮すべきです。
清水建設は工場建設においてもデザインにこだわり、企業のイメージと調和する外観や機能的な内装を重視しています。
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