三和建設が支持され続ける理由は?工場建設や倉庫建設を通した取り組み | 工場建設パーフェクトガイド
メーカー紹介記事
三和建設が支持され続ける理由は?工場建設や倉庫建設を通した取り組み
公開日:2024.01.24 更新日:2024.01.24
三和建設は長期経営を目指し、経営理念の確立と社内改革を進めました。これにより社員数増加や女性社員比率向上、離職率の低下を実現し、自己責任と付加価値創造を重視。将来に向けても人間の知恵と心を活かすアプローチを続けています。経営方針転換により特化事業ブランドを構築し、「FACTAS®」と「RiSOKO®」に注力。特に「FACTAS」は食品工場建設に特化し、食品事業の価値向上に貢献。支持され続ける理由となっています。
目次
三和建設のこれまでと目標に向けた取り組み
三和建設は、その長い歴史の中で100年企業を目指し、持続的な成長と発展に向けたさまざまな取り組みを実践してきました。過去から未来へ、その歩みと今後の目標に向けた重要な取り組みを紹介します。
◇三和建設のこれまで
三和建設株式会社は、現社長の森本尚孝が入社した2001年当時、国内景気の低迷により苦境に立たされ、創業時のあらゆる資産を売却してしまうほどの厳しい状況に直面していました。しかし、2008年に社長に就任した森本は、三和建設の存在意義や独自性を再考しました。その結果、「ひと」こそが財産であるという考えから、「つくるひとをつくる」という経営理念を2013年に策定しました。
この経営理念のもと、三和建設は建物づくりを通じてお客さま、仲間、技術、信頼などさまざまな要素を形成しています。その核となるのは「ひと」であり、「ひと本位主義」を掲げ、社員とその家族を大切にし、人づくりによって会社の永続を追求しています。経営理念のもと、社員の成長を最優先とし、採用や育成、福利厚生などの見直しを徹底的に進めています。
経営理念実現のための具体的な取り組みも行っており、社長を含む全社員が参加するSNS形式の日報システム「SODA」や理念浸透・成長型の新卒採用選考、社内大学「SANWAアカデミー」の設立など、組織全体での成長を促進する手段を導入しています。また、働きやすい環境整備の一環として、企業主導型保育園「りんごぐみ」の設置や新入社員の共同生活を送る「ひとづくり寮」の導入も行っています。
さらに、かつての経営方針を転換し、特定の事業領域に特化することで差別化を図りました。具体的には、「FACTAS®」、「RiSOKO®」、「HuePLUS」などのブランドを打ち出し、事業領域を絞り込む決断をしました。この変革により、ノウハウの蓄積や専門性の向上が図られ、売上も増加。2023年度9月期には過去最高の売上高を達成しました。
この戦略の成功により、社内文化も大きく変化。社員が自ら専門知識を得る意識が芽生え、3つの事業領域において大手企業にも劣らない「誇り」が生まれました。そして、新卒採用においても独自性を説明しやすくなり、優秀な人材の獲得に成功しています。
技術革新が進む中、ますます「人間力」が求められる時代においても、三和建設は今後も人にしかできないことに焦点を当て、育成や組織力の強化を進め、成長を続ける意向を示しています。
◇100年間続く企業になるための取り組み
三和建設は100年企業を志し、長期経営を目指しています。そのために、経営理念の確立に伴い、社内制度の見直しを行いました。この過程で、SNS形式の日報システム「SODA」や理念浸透・成長型の新卒採用選考、社内大学「SANWAアカデミー」の導入など、多岐にわたる制度改革が実施されました。
これにより、社員の数は10年間で1.5倍に増加し、女性社員比率も14%から30%に向上し、離職率も減少しました。この取り組みにより、社員数は10年間で1.5倍に増加し、女性社員比率も14%から30%に向上し、離職率も減少しました。
三和建設は、社員一人ひとりに100%の責任感を求め、自律と付加価値創造を重視しています。社会とのつながりにおいても、お客様への迅速なサービス提供や長期的な機能維持と性能保証に注力し、社会への貢献を実践しています。
未来に向けては、自動化と情報技術の進化に対応しつつも、人間の知恵と心を活かす仕事に焦点を当て、建設業の将来に向けて地道かつ先見的なアプローチを続けています。
今後も選ばれる企業となるための経営方針の転換
画像出典先:三和建設株式会社
今後も選ばれる企業であり続けるためには、新たな戦略や価値観を採り入れ、変革に対応する覚悟が求められています。ここでは三和建設が経営方針の転換に踏み切った理由と現在注力している事業について解説します。
◇三和建設が経営方針の転換に踏み切った理由
三和建設が経営方針の転換に踏み切った理由は、バブル崩壊後から2000年頃までの不況により、顧客の設備投資が減少し、苦しい経営状況に陥ったことが挙げられます。この苦境の中で、経営からアドバイスがあり、「10年後、20年後を見据え、何かに特化したブランドをつくり、顧客に選ばれる存在、ファーストコールカンパニーになるべき」という考えに共感し、経営方針の転換を図ることを決断しました。
事業の「選択と集中」を行い、3つの特化した事業ブランドを立ち上げることを決断しました。この決断により、以前はどんな工事でも受注していた体制から大きくかじを切り、食品工場設計・建設の「FACTAS®」と、賃貸集合住宅設計・建築の「エスアイ200」の2つの事業に特化しました。
◇三和建設が特に力を注ぐ事業とは
三和建設は、「FACTAS」と「RiSOKO」という二つの事業に特に注力しています。
「FACTAS」は、食品工場建設に関するトータルソリューションブランドであり、工場価値の向上を目指しています。三和建設は生産・物流倉庫分野で豊富な経験を持ち、特に食品関連の施設に強みを持っています。
FACTASは、お客様のニーズに合わせて完全オーダーメイドの食品工場や関連施設を提供し、食品事業の付加価値向上に貢献しています。
一方で、「RiSOKO」は、オーダーメイド型倉庫に特化したトータルソリューションブランドで、「お客さまにとって理想の倉庫を提供する」ことをコンセプトに掲げています。三和建設は経験とリソースを活かし、危険物倉庫、冷蔵倉庫、自動倉庫などのニッチな分野において、高い専門知識と経験を持つ設計者・施工者を提供しています。RiSOKOは、お客様の要件に応じてオーダーメイドの倉庫を設計施工し、事業の発展に寄与することを目指しています。
三和建設の倉庫建設ブランドRiSOKO®
RiSOKOは、倉庫建設において特殊な要件やニーズに対応するオーダーメイド型のトータルソリューションブランドです。RiSOKOの倉庫建設の特徴や強みより、同社が行う理想的な倉庫建設について解説します。
◇理想の倉庫とは?ノウハウを活かした倉庫建設
RiSOKOは、お客様のビジネスに合わせた理想的な倉庫を提供し、様々な機能性を組み込み、産業の導線を最適化することが目指されています。RiSOKOの使命は、ビジネスを理解する高度な設計力と専門性を駆使し、お客様に過不足のない倉庫を提供することにあります。
◇特殊倉庫建設に特化したRiSOKO
RiSOKOは危険物倉庫や食品・医薬品物流センターも建設可能です。危険物倉庫は、消防法で規定された「危険物」を保管するための倉庫であり、その建設には様々な規制が存在します。これには物品の種別や指定数量、建設地の用途地域、保有空地のルール、倉庫の制限や規模感などが含まれます。危険物倉庫の建設においては、「安全」が最優先事項であり、所轄消防との協議が不可欠です。
危険物倉庫の建設における課題解決には、最新の知識を持った専門家の協力が不可欠です。価格面やコンプライアンスの厳格化、物流やランニングコストの最適化などを考慮し、事業計画を建物に結びつけることが重要です。危険物倉庫建設の際には、安全性、機能性、コストの最適化を図りながら、最新の基準や法令を遵守することが求められます。
食品・医薬品物流センターの建設計画を策定するにあたり、考慮すべき重要な要素がいくつかあります。温度管理については、取り扱う商品の種類によって適切な温度帯を確保する必要があります。特に冷蔵や冷凍庫の建設に際しては、医薬品物流センター建設の際の基準であるGMPやGDPを考慮することが不可欠です。
さらに、衛生管理や倉庫管理システム(WMS)の導入も重要なポイントです。ここでの温度条件の設定には、庫内の温度・湿度条件だけでなく、保管物の入庫温度や物流センターのオペレーションも織り交ぜて検討する必要があります。
物流センター内での結露対策や凍上防止策も検討が必要であり、同時に省エネ化や設備メンテナンスの最適化も考慮すべきです。物流機能においては、商品の出荷・配送までの温度管理や衛生状態の維持が求められます。食品の安全性や品質管理に関する認証取得や、流通加工の効率化を図るためのプロセスセンターの機能も重視されます。
三和建設は100年企業を目指し、経営理念を基に社員の成長と組織力の強化に取り組み、特化した事業領域で差別化を図りました。その結果、売上高が増加し、社内文化も変化しました。特に、「FACTAS」は食品工場建設に特化し、高度な設計力を駆使してお客様に理想的な工場を提供し、価値を向上させています。
また、「RiSOKO」は特殊倉庫建設に特化し、危険物倉庫や食品・医薬品物流センターを建設し、安全性と機能性を重視しています。三和建設は今後も変革と選択と集中を通じて選ばれる企業であり続けるために努力しています。