工場建設にかかる建設費は?坪単価や相場を解説 | 工場建設パーフェクトガイド
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工場建設にかかる建設費は?坪単価や相場を解説
公開日:2023.11.30 更新日:2024.10.30
工場建設の建設費は、構造や建設方法、規模、資材など多くの要因で決まります。建設構造には鉄筋コンクリート造や鉄骨造などがあり、それぞれの坪単価が異なります。2021年の統計によれば、全構造の平均坪単価は約71.8万円で、鉄筋コンクリート造が最も高額です。建設費を抑えるためには、構造や規模の見直し、建材のグレード変更、補助金の活用、納期の調整が効果的です。慎重な計画が重要です。
目次
工場の建設構造と方法がもたらす費用の影響
工場の建設構造には4種類あり、費用は鉄筋コンクリート造が最も高く、次いで鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄骨造、木造と続きます。建設方法は在来工法とシステム建設があり、前者は自由度が高いですが、後者はコストを抑え、工期を短縮できます。
工場の構造の違いで決まる
工場の建設構造には4つの種類があり、それぞれの構造によって建設費が異なります。費用が高くなる順に、以下のようになります。
最初に、鉄筋コンクリート造(RC造)があります。これは鉄筋とコンクリートを使った構造で、耐久性や耐震性、耐火性、気密性に優れていますが、建物が重くなるため、地盤への負担が大きくなるという制約があります。
次に、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)です。鉄骨と鉄筋コンクリートを組み合わせたこの構造は、非常に高い耐久性や耐震性、気密性を持っており、超高層建物に適しています。
三番目は鉄骨造(S造)です。鉄骨を使ったこの構造は、耐震性が高く、設計の自由度も大きいのが特徴です。鉄骨造には重量鉄骨と軽量鉄骨の2種類があり、軽量鉄骨のほうが建設費を抑えやすいです。
最後に木造があります。木材を使ったこの構造は、最も費用が安く抑えられます。通気性、断熱性、吸湿性に優れていますが、他の構造に比べると耐久性や耐震性が劣る点がデメリットです。
工場の建設方法の違いで決まる
工場の建設方法には2つの種類があり、それぞれの方法によって費用が異なります。
一つ目は在来工法です。これは日本の伝統的な工法で、柱や梁が建物全体を支える構造です。在来工法は耐久性に優れ、設計の自由度が高いことが特徴です。ただし、正確な建設費は図面が完成するまでわからない点に注意が必要です。
もう一つはシステム建設です。これは設計、建材の選定、見積もり、建設の全工程をシステム化した方法です。システム化することで自由度は低くなりますが、建設費を抑えられ、工期も短縮できるメリットがあります。
工場建設費用の相場と地域別の坪単価
次に、工場の建設費用について見てみましょう。工場は種類によって規模や設備が異なるため、建設にかかる費用は一概には言えません。しかし、国土交通省の建築着工統計調査を参考にすれば、工場建設の平均費用を把握することができます。2021年の調査結果では、工場建設の平均坪単価や構造別の建設費が明らかになっています。
工場建設の平均坪単価
工場建設の平均費用は1棟あたり約2億2840万円で、坪単価にすると71.8万円です。ただし、この坪単価は地域によって異なります。鉄骨造の工場の場合、全国平均は69.2万円/坪ですが、最も建設費が高いのは神奈川県で1坪あたり110.1万円、一方、最も安いのは愛知県で1坪あたり40.6万円です。
構造別工場建設の建設費
構造別の工場建設における1坪あたりの建設費は、費用が高い順に以下のようになります。まず、鉄筋コンクリート造が202.2万円、次に鉄骨鉄筋コンクリート造が141.7万円、鉄骨造が69.2万円、最後に木造が44.9万円です。
工場建設の費用を抑えるための効果的な方法
工場建設を新しく建設すると、生産力が上がり業績アップが期待できますが、建設費用をかけすぎると資金繰りが難しくなり業績が悪化する可能性もあります。前項でもご説明いたしましたように、工場建設の建設費はいくつもの要因で変動するため、工夫をすることで費用を抑えることも可能です。こちらでは、工場建設の建設費を抑える方法を5つご紹介いたします。
構造を変更する
鉄筋コンクリート造の坪単価は、一番安い木造の約4.5倍です。鉄筋コンクリート造で建設すると4.5億円かかる場合、木造に変更すれば1億円まで費用を抑えられます。ただし、建設費を抑えることで、工場に十分な機能性を搭載できない可能性も出てくるため、機能性と建設費のバランスを考慮して、採用する建設構造を選ぶことが大切です。
工場の規模を変更する
坪単価に工場の規模をかければ建設費を算出できるため、単純に工場の規模を縮小すれば建設費は安くなります。延べ床面積を変更しなくても、外壁の高さを低くするだけでも、建設費の削減が可能です。例えば、外壁の高さを2m低くすることで、使用する外壁材などを減らせ建設費を約2割安くできます。
建設資材を変更する
建材費用は建設費の約6割を占めるため、建材のグレードを下げることでもコストの削減が図れます。特に、屋根や外壁など、使用する建材の量が多い箇所を見直すとコスト削減に効果的です。
補助金を使う
工場を建設する際に活用できる補助金があるため、補助金を使うのも選択のひとつです。工場建設で活用できる補助金には、HACCP補助金(農林水産省)、サプライチェーン対策補助金(経済産業省)、省エネルギー投資促進補助金、脱フロン・低炭素社会実現支援事業(環境省)、ものづくり補助金(中小企業庁)などがあります。ただし、対象となる工場の種類や条件があるため、確認が必要です。
納期を変更する
工期が短いと、夜間作業や作業員の増員が必要になり、建設費も高くなります。建設業者のスケジュールを優先して、納期を変更することで建設費を安くできる可能性があります。
工場建設の建設費は構造や規模、建設資材、納期など多くの要因で決まります。建設構造にはRC造、SRC造、S造、木造があり、これによって費用が異なります。また、在来工法とシステム建設の選択も影響します。全構造の工場建設のかかる費用は、平均坪単価にして約71.8万円で、構造別ではRC造が最も高額です。建設費を抑える方法として、構造変更や規模の縮小、建材の見直し、補助金の活用、納期変更などがあります。建設費は慎重に計画し、機能性とコストのバランスを考慮することが重要です。
工場建設にかかる費用の相場や坪単価についてお解りいただけたかと思います。工場建設を検討されている方には「工場建設 おすすめ会社3選」も参考になります。ご覧になってはいかがでしょうか。