グッドデザイン賞を受賞した工場とは?工場建設でもデザイン性を重視 | 工場建設パーフェクトガイド
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グッドデザイン賞を受賞した工場とは?工場建設でもデザイン性を重視
公開日:2023.10.31 更新日:2024.06.03
グッドデザイン賞は、人や社会を豊かにするデザインを持つ様々な分野の製品やサービスを表彰しており、デザイン性に優れた工場も受賞しています。工場は主に生産性やコストの観点から設計され、デザインは二の次とされていました。しかし、現在では人手不足や企業のブランディングのため、デザインの重要性が増しています。
目次
グッドデザイン賞とは?賞の概要や目的
グッドデザイン賞とは、日本で唯一の総合的なデザイン評価と推奨のしくみです。1957年に旧通商産業省によって設立された「グッドデザイン商品選定制度」(通称Gマーク制度)を継承するものです。
この賞は、美的な要素だけでなく、製品やデザインが産業の進化や生活の品質向上に貢献することを評価し、さまざまな分野から優れたデザインを発見し、広く紹介することを目的としています。
製品や建築、ソフトウェア、システム、サービスなどのさまざまな分野にわたるデザインに贈られるほか、形のあるものだけでなく、人々が目標を達成するために創り出したものをデザインと見なしています。
近年では、自動車や家電製品などの工業製品、住宅や工場などの施設などの建築物、アプリケーションやソフトウェアなど幅広い製品が応募の対象です。
工場もデザインが重視される時代 – デザインを重視するメリット
工場の外観は取引先や従業員が一番に目にする部分であり、印象を大きく左右することから、デザイン性が重視されるようになっています。
取引先へのPR材料となる
工場のデザイン性に注力するメリットとして、取引先に対して非常にポジティブなPR材料になることがあります。
例えば、工場の外観に清潔感のある白を基調としたデザインや最新のトレンドを反映したおしゃれなデザイン要素を取り入れると、取引先に「この会社はビジネスにおいてもデザインに力を入れ、プロフェッショナルなアプローチを持っている」という印象を与えられます。
その結果として、取引先は「このように綺麗で洗練された工場を持つ企業は、事業的にも信頼性があるだろう」と感じ、安心感を抱きます。
さらに、自社のブランド力を高め、競合他社から差別化を図り、新たなビジネス機会を開拓する手助けとなるでしょう。
従業員のモチベーションがアップする
工場のデザイン性に注力すると、従業員のモチベーション向上や求人応募数アップにつながる点もメリットです。
一般的に工場は直接の顧客対応が行われないため、デザインにあまり気を配ることは少ないかもしれません。しかし、デザイン性の高い工場環境は、従業員にとって働く環境をより魅力的にし、通勤や勤務中のストレスを軽減する要因となります。
一般の印象が向上する
清潔感があるの工場は、一般の人々にとっても興味を引き、工場見学の要望を増加させるかもしれません。工場見学が盛んに行われるようになれば、単なる作業場所から脱し、新たな顧客の獲得の場として活用できる可能性が高まります。
さらに、工場が観光スポットとして認知されることで、地域への貢献も期待できるでしょう。
グッドデザイン章を受賞した工場を紹介
グッドデザイン賞を受賞した工場を3つピックアップし、それぞれの特徴や魅力などをご紹介します。
コロナ電気新社屋工場Ⅰ+Ⅱ期
2020年にグッドデザイン賞を受賞したプロジェクトです。新社屋は旧社屋に存在した問題点を解決するために、「階未満」の断面構造を採用しました。
具体的には、製造エリアを中央にくぼませ、その周囲にパスボックス付きのテラス回廊を設ける、そして製造を補完するUSB諸室を東西に配置し、アクセス性を考慮しています。
櫓状のBOXを回廊から1.5メートル上に配置し、テラス回廊と製造エリアを大きな屋根で覆うことで一つのコミュニケーション空間が形成されました。
テラス回廊からは、ガラス越しに打ち合わせコーナーが見え、平行に走るカウンターでも打ち合わせができる「face to face」なストリートとなっています。
脱3K工場建設ファクトリア
脱3K工場建設ファクトリアは、2017年度グッドデザイン賞を受賞しました。ファクトリアとはデザイン、コスト、機能のバランスが取れた快適な作業環境を提供し、工場建設のブランディングを行うトータルサービスブランドです。
このプロジェクトは、従来の工場のイメージである「3K(キツイ、汚い、危険)」から脱却し、新たな工場のイメージである「3C(Cool、Comfortable、Communication)」を掲げ、業績向上を実現しました。
具体的には、カフェ風の休憩室や美しいパウダールームの設置、スタッフのユニフォームのデザイン向上など、他社との差別化を図りました。
サントリー天然水の北アルプス信濃の森工場
サントリー天然水の北アルプス信濃の森工場は、2022年にグッドデザイン賞を受賞しました。この工場では、製造ラインの自動化を進める中で、以前は製造ラインに隣接していた場所を水源の山々を、水とその周囲の森林を身近に感じられるように配置しています。
従業員の労働環境向上と来訪者に多くの気づきを提供する施設として計画されました。
通常の工場見学ツアーは、製造ラインを中心に展開されますが、この工場では「水」の製造に焦点を当て、導入部分を含む一連のストーリーを構築し、空間体験として提供しています。
グッドデザイン賞は、デザインの美的要素だけでなく、産業と生活の品質向上に貢献するデザインを評価する日本の総合的な賞です。
近年では工場のデザイン性が重要視され、取引先への印象向上や従業員のモチベーション向上に寄与し、工場見学の増加や地域貢献も期待されています。
グッドデザイン賞を受賞した工場の例として、コロナ電気新社屋工場の快適なコミュニケーション空間、脱3K工場建設ファクトリアの「3C」コンセプト、サントリー天然水の北アルプス信濃の森工場の水源と森林を活かした空間体験を紹介しました。
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