工場建設コンサルティングは何が出来る?FACTASの取り組みからみる食品工場コンサルティング | 工場建設パーフェクトガイド
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工場建設コンサルティングは何が出来る?FACTASの取り組みからみる食品工場コンサルティング
公開日:2023.09.30 更新日:2023.09.30
会社から工場建設の担当を任せられた場合、何からやればいいのか分からない場合がほとんどです。その理由は単純で、専門的である場合を除いて、ほとんどの会社が工場を1つか2つしか建てないからです。そして、短期間で作ることも少ないので、工場建設を経験したことのある技術者がいるのも稀です。
工場建設には、守るべき法令や生産効率の改善、動線の設計など考えなければならない項目は数多くあります。
そのため、工場建設に関するコンサルティングを依頼することも一つの選択肢です。
工場建設の場所選定、レイアウトの設計、施工完了後の維持管理までトータルでサポートし、期待通りの工場建設が可能になります。
目次
工場建設の流れは?計画・設計の段階で考慮すべきこと
そもそも、工場建設はどういった流れで進んでいくのか?何に注意しなければならないか?わからない点が多いと思います。
全体像を把握していないと、コンサルティング業者に丸投げになってしまいますよね。
まず初めに、工場建設の流れと各ポイントで注意すべきことを紹介します。
工場建設の流れ
① 基本計画を考える
基本計画において重要なのは、工場建設の目的をはっきりと定めることです。
何故工場を建てる必要があるのか、その理由を明確にし具体的な目的も設定しましょう。
工場の老朽化による修繕か、新しい工場の建設か、その他にも事業の拡大や生産ラインの増設、品質向上など、詳細な目標を具体的に明示することが重要です。
なぜならば、工場建設プロジェクトは長期間かつ大規模で、途中で変更が難しいことがあります。時間が経つにつれてもとの目的から外れてしまわないよう、計画を進める際の方向性を確保することが役立ちます。
②設計業者と施工業者の選定
基本計画が完成したら、業者の選定に進みましょう。見積もりを取得して価格で決定することは多いですが、価格だけでなく、施工後のメンテナンスや他のサービス面も考慮することが重要です。
なぜなら、工場建設には満たすべき法的要件が多く、経験のない場合は実績豊富な専門家に依頼することが賢明です。
業者の実績も重要な指標です。
価格だけに惑わされると、結果として高いお金を支払うことになるかもしれません。
③工場の基本設計をする
業者の選定が完了したら、工場の具体的な設計を進めます。
・建物の構造
・作業場のレイアウト
・動線設計
・使用機器の選定
・電気・計装の概要図などが含まれます。
ここで重要なのは、イメージしている工場を業者に伝え、理想とする環境を想像して設計することです。
特に、動線の設計は、生産効率や従業員の働きやすさに直結します。
納得いくまで業者と相談し、設計をしていきましょう。
④より詳細な設計をする
動線や建物の構造が決定したら、より詳細な設計をします。
・使用する機器の種類、設置位置
・配管図や建築設計図
・電気の必要容量、照明の数
・空調設備の配置など
例にあげた以外にも考えなければいけない点は多くあります。
⑤部材の調達を依頼する
詳細設計をもとにして、工場建設に必要な部材を調達します。
生産ラインに使う機器だけでなく、工場建設に必要な建築部材も含まれます。
建設スケジュールに合わせて、部材が届くように関係者とのスケジュール調整をしましょう。
⑥工場の建設開始
どのような目的で建設を行うにせよ、工場稼働までの納期が設定されているはずです。
スケジュール通りに工事ができるよう、工程管理・部材調達などの調整をしましょう。
また、トラブルが発生した際には、適切に対処できるよう、事前に取り決めておくなどの準備が重要です。
建設工事は一般的に以下の手順で進行します
地盤改良 → 土間 → 鉄骨 → 屋根 → 外装 → 内装 → 建築設備
全体でかかる期間、各ステップの工期を把握し、進捗を日々確認し、不意のトラブルに備えておきましょう。
⑦官庁検査
無事に工場の建設が完了すると、特定の行政機関による検査が行われます。この検査を合格することで、ようやく工場の使用許可がおります。官庁検査は、建築物、設備機器、消火設備、防火設備、配管など多岐にわたりますが、一般的に以下の観点で行われます。
工場敷地内の安全確保
地震などの災害発生時に建物が倒壊しない構造であること
火災時の防火設備と適切な避難経路が確保されているか
採光や給排水設備などの構造が適切に機能しているか
⑧試運転・本稼働
検査に合格した後、引き渡し前には試運転を行い問題がないことを確認してください。
万が一気になる点、疑問点がある場合は業者と再度交渉する必要があります。
なぜなれば、引き渡しを受ける前は、建物の所有権は業者にあるからです。
無用なトラブルを避けるため、納得した状態で引き渡しを受けましょう。
その後、本稼働になります。
工場建設は終わりですが、建設後に生産ラインとして稼働し続けることが重要です。
メンテナンスや補修・改修は、施工を依頼した業者に引き続きお願いする必要があります。
そのため、長く付き合える業者を選定するのも重要なポイントです。
工場建設コンサルティングとは?コンサルティング
工場建設までの流れでわかる通り、工場建設するにあたって考えるべき内容は非常に多岐にわたります。
また、先ほどの例では工場建設の現場だけの話でしたが、実際には、建設地域周辺の近隣住民への影響やランニングコストなども考えなければいけません。
工場建設は考える要素も多く、失敗ができないため、不安な場合には工場建設コンサルティングをお願いするのも一つの選択肢です。
工場建設コンサルティングとは?業務内容は?
工場建設コンサルティングとは、新工場の企画段階から工場建設後の現場維持まで、工場建設にかかる作業全般のコンサルティング業を指します。
工場建設を経験したことのある技術者が会社にいるのは、非常に稀な例です。
そのため、ほとんどノウハウのない状態で取り組むのですが、設計/施工業者の言いなりとなってしまい、無駄にコストがかかったり使いづらい工場ができる可能性があります。
工場建設初期の企画段階から担当することで、専門的な知識を持った状態で、理想の工場建設の手伝いをしてくれます。
コンサルティングを依頼するメリット
工場建設に特化したコンサルティングのため、企業に蓄積されたノウハウ・知識をフルに利用できます。
工場の設置位置検討からしてもらえる
経済効果はどの程度見込めるのか、周辺環境、住民の理解は得られる場所なのか等の調査も実施してもらえます。
企業によっては、住民への説明会の実施も。
ノウハウを活かしたレイアウト設計が可能
知識、実績が豊富にあるため、無駄のない動線設計・機器の配置を検討できます。
ふわっとしたイメージからでも、適切なレイアウトを実現してくれるかもしれません。
施工業者との折衝、日程管理も対応
プロジェクト全体の日程管理や施工業者との折衝も代わりに対応してくれます。
会社としての負担が減るだけでなく、必要書類の申請ミス、調整不足によるスケジュール遅延といったリスクも低減できます。
工場建設に関わる必要な内容は多く、非常に専門的な知識も必要です。
ノウハウもない状態で挑戦するよりは、工場建設コンサルティングを依頼するほうがメリットは多いでしょう。
FACTASの取り組みからみる食品工場コンサルティング
工場建設コンサルティングは、実際に何ができるでしょうか?
食品工場のコンサルティングに絞った企業であるFACTASから考えてみましょう。
FACTASとは
三和建設の食品工場・食品関連施設に関わるトータルソリューションブランド名称です。
「ファクトリー(工場)に価値を足す」ことを目標として、ニーズに合わせたオーダーメイドの施設を提供してきました。
FACTASの強みは、豊富な知識を基にした設計・施工力と、専門分野に特化して得られ、蓄積された数多くのノウハウです。
そのため、「生産性を向上したい」、「安全・衛生管理が不安」などの悩みに対して、オーダーメイドの施設を提供可能です。
また、製造の責任を明確にするため、設計から施工、保守まで全てに対応しています。
計画・設計で考えるべき点
食品工場を何の目的で工場を建てるのか?必要な温度管理や衛生管理の方法、メンテナンス性など、後から容易に変更ができない点も多く、食品や製造に必要な機能を計画段階から考える必要があります。
また、食品工場が取り扱う商材によって考慮すべき点が異なるため、建設の難易度は非常に高いのです。
施工よりも設計に力を入れており、取扱う商材、生産能力、メンテナンス性などを考えて設計を進めます。
オーダーメイドになるため、コストが高くなる傾向にありますが、その際にも、予算に応じた優先順位付けなどを考える必要があります。
設計で考えるべき点
工場においては生産効率が重要です。
作業場の動線の設計、原料と商品の配置場所などを考慮する必要があります。
一方で、食品工場は、生産効率だけでなく、衛生面の管理も非常に重要です。
令和3年6月1日から、原則として、食品関連の事業者はHACCPに沿った衛生管理が必要とされています。
そのため、衛生管理にも気を使ったゾーニングや入退場計画を考える必要があります。
ノウハウが無ければ難しいでしょう。
その他にも、工場周囲の環境要因も考えるべき内容です。
塩害
海辺で建設する場合、海風の塩分が建材を腐食させるリスクがあるため、腐食しにくい素材を使う
臭気・騒音
商材や機械による臭気や騒音が近隣住民に影響を及ぼす可能性があるため、対策を検討し、クレームを防ぐ。
排水
食品工場の排水は規制値以下にする必要があります。海への排水に制限がある場合、公共下水管の改修も検討が必要。
以上のように食品工場を一つとっても、取扱う商材や周辺環境によって考え、対策しなければならない内容は異なっています。
ノウハウを持ったコンサルティング業者に依頼するほうが、希望の工場を実現できる可能性は高いといえるでしょう。
工場建設は、生産効率のことだけを考え、レイアウトを設計できれば完成するものではありません。
守るべき法令、建設する場所の選定、ランニングコストの試算まで数多くのことを考える必要があります。
更に、これらの内容はどの工場でも考えられる一般的な内容です。
食品工場に絞ったコンサルティング業をするFACTASの取り組みから、取扱う商材によって求められる衛生管理、建材、メンテナンス性が変わってきます。
工場建設は、専門的な知識がいる膨大な量の仕事をミスなくやり遂げ、その後の管理もしなければなりません。
自社での経験がない場合、費用はかかりますが、工場建設のコンサルティング業を依頼したほうがメリットは大きいと考えられます。